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【東北地方廃墟めぐり】田老鉱山(岩手県)をゆく

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東北地方の廃墟をめぐります!

今回は岩手県宮古市にある田老(たろう)鉱山を訪れてみました。

山の奥にひっそりと佇む鉱山跡です。

巷では東北三大鉱山の一つに数えられています(残りは、松尾、尾去沢)。

 

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森の中に現れるトタンの要塞。田老鉱山です。……朽ちています。

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中はこのよう。コンクリートの柱や土台こそ残っていますが、屋根は剥がれ落ちています。

2019年で、閉山から48年が経ちます。

それでは、開山から閉山までの歴史を辿ってみましょう。

 

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田老鉱山は、1919年(大正8年)に開山。硫酸アンモニウム製造の原料となる硫化鉱の採掘が目的でした。

 

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しかし不景気により、しばらくの間、ほとんどまともに稼働することはなかったといいます。

 

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1936年(昭和11年) 11 月に田老鉱業所が開設されると、本格稼働が開始。

 

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3年後には、ひと月で硫化鉱1万2千トン、銅鉱2千5百トンを産出するまでに至ります。

 

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最盛期の従業員数は、1,800人を超えました。

 

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周囲一帯は「鉱山の街」として栄えます。診療所や郵便局、商店、学校などが整備され、最盛期にはおよそ4,000人が暮らしました。

 

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鉱山と港は、10数km離れていましたが、索道によって結ばれました。

鉱山から港へは、採掘された鉱石が、港から鉱山へは、新鮮な魚などが運ばれました。

 

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1961年(昭和36年)、フェーン現象による強風で、三陸一帯が「フェーン大火」と呼ばれる大規模な火災に見舞われます。

田老鉱山は、この火災でほとんどの施設や住宅を焼失してしまいます。

 

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しかし、木造をコンクリート造りにするなどの防火対策により、約2年後には復旧を遂げたのでした。

 

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1971年(昭和46年)、資源枯渇等の理由により閉山。

 

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閉山までのあいだに、銅、鉛、亜鉛、硫化鉱などを約144万トン産出しました。

 

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坑道の総延長はおよそ104kmにも及びました。

 

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閉山後は明星大学の所有物となります。明星大学田老キャンパスや明星大学田老宇宙線観測所が開設されました。

 

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現在は、選鉱場跡や元独身寮などが残るのみで、当時の繁栄の面影はほとんどありません。

 

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鉱業権者のラサ工業によって、現在も排水処理が続けられています。

 

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さて、田老鉱山の歴史をざっくりと振り返りました。

 

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なんだか京都駅っぽくないですか?!

 

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宇宙生物のようなパーツが大量に転がっています。

 

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味のある階段。エッシャーの絵に登場しそうな感じです。

老朽化が心配でしたが、まだなんとか上れました。しかしいずれは朽ちて倒れるのでしょう。

 

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奥に位置する制御室、まるで宙に浮かんでいるかのようです。

それより、床を踏み抜いてしまわないか心配です。けっこうな高さです。

 

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配電盤?分電盤?

錆び具合がいい感じです。

 

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なんだかよく分かりませんが、前時代的な感じです。

 

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広い空間に、風が吹き抜ける音だけが響きます。

 

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さようなら、田老鉱山。そのうち、完全に自然に還るときが来るのでしょう。

それまでに、また、来ます。

 

地図を貼っておきます。当たり前ですが、けっこうな山の中にあります。

(廃墟の場所を明記するのは好ましくないかもしれませんが、田老鉱山に関してはGoogleで検索すると普通に表示されるため、貼ることにしました。)

※廃墟にはさまざまな危険があります。訪問する際は、自己責任でお願いします。

(訪問日:2012年9月25日)

 

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